第4回日本機械学会イノベーション講演会

基調講演

iJSME2019 基調講演

                                  (講演時間30分)

戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)/革新的設計生産技術のプロジェクトリーダを中心に,基調講演をしていただく予定です.(詳細は随時掲載)

 

基調講演①10:20-10:50

『分子接合技術による革新的ものづくり製造技術の研究開発』

平原 英俊(岩手大学)

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 ものづくりには、モノとモノの接合が不可欠です。自動車、航空機、半導体、医療関連機器は性能向上のために、異種・同種材料の複合化の新技術への期待が高まっています。従来の接合技術では困難だった材料依存性のない異種材料の化学結合を可能にする「トリアジンチオール誘導体」を用いて接合技術を確立し、寸法制御、高機能性や生産性に特徴を有する「分子接合技術」および「分子めっき技術」の開発を進めています。

 

 

基調講演②10:55-11:25

『ものづくり改革を支える高次粉末設計』

武藤 浩行(豊橋技術科学大学)

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 「ものづくり」の多くは、出発原料として「粉末」が用いられる。従来から用いられる粉末冶金はもとより、近年、産業界から注目を集める付加製造技術(3Dプリンタ)においても、粉末が重要な役割を果たしている。本講演では、次世代ものづくりの発展を加速させるための精密粉末設計(集積化技術)に関して実例を交え紹介する。

 

 

 

 

基調講演③11:30-12:00

『マルチレーザーコーティング法による機能性皮膜の形成』

佐藤 雄二(日本原子力研究開発機構)

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 近年、産業機械、電子機器、医療用装置等、多くの産業分野で性能向上の要求が高まっている。このような要求を満たすには様々な機能性材料を表面に付与する技術が必要になる。そこで我々は、母材表面の溶融を必要最小限に留め,熱変形や皮膜成分の変質が少ないマルチレーザーコーティング技術を開発した。本コーティングに必要な膜厚など各種仕様に対する要素技術をマクロ的に解析し、緻密で微細なコーティングを実現した。

 

 

基調講演④12:05-12:35

『TRAFAMによる次世代型3Dプリンタの開発状況』

京極 秀樹(近畿大学)

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 技術研究組合次世代3D積層造形技術総合開発機構(TRAFAM)のプロジェクトが,平成26年度より5年間の研究開発期間で開始されたが,世界的に見るとここ5年間のものづくり産業における技術革新は目覚ましいものがある.また,従来の加工技術はもとより新たな加工技術としてのAdditive Manufacturing(AM)技術は急速に進展している.これに伴って,製品の高機能化が飛躍的に進んできているとともに,IoTやAIの利用などを包含したデジタルマニュファクチャリング技術の開発が極めて重要となり,“ものづくり”において革新が起きている.とりわけ,AM装置やシミュレーション技術の目覚ましい進展に伴って,AM技術を包含した設計製造統合プラットフォームの構築もなされてきている.

 本技術開発プロジェクトは,我が国ものづくり産業がグローバル市場において持続的かつ発展的な競争力を維持するために,次世代のものづくり産業を支える三次元造形システムを核とした我が国の新たなものづくり産業の創出を目指すもので,平成29年度で4年目の研究開発が終了し,平成30年度が最終年度となっている.

 本講演では,平成29年度の成果の概要について報告する.

 

 

基調講演⑤15:00-15:30

『三次元異方性カスタマイズ化設計・付加製造拠点の構築と地域実証』

荒木 秀樹(大阪大学)

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 本講演では、SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)/革新的設計生産技術(佐々木直哉プログラムディレクター)の中で行った「三次元異方性カスタマイズ化設計・付加製造拠点の構築と地域実証(研究開発代表者:掛下知行阪大教授・田中敏宏阪大教授)」において得られた研究成果の概略をご紹介させて頂きます。本プロジェクトは、大阪大学、パナソニック株式会社,地方独立行政法人大阪産業技術研究所、帝人ナカシマメディカル株式会社、川崎重工業株式会社、有限会社北須磨動物病院、大阪府立大学、京都大学、東京大学を主要機関として行っているものです。

 

 

基調講演⑥15:35-16:05

『トポロジー最適化に基づく高機能デバイス設計法の構築と形状構想設計システムの開発』

西脇 眞二(京都大学)

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 トポロジー最適化は,構造の形状だけでなく形態変化を可能とする最も自由度の高い構造最適化の方法である.この方法により,構造の抜本的な性能向上を可能とする構造設計案を提供できるだけでなく,新しい機能をもつ構造の創成設計を行うことも可能とする.本研究開発では,トポロジー最適化に基づき,高性能で革新的な機能をもつ熱制御デバイスと電磁場制御デバイスの設計法とそれらのデバイスの大量生産法を開発した.また,構造問題を対象にミドルレンジCAD上で,構造最適設計,解析曲面に基づくCADモデルの自動作成を可能とする形状構想設計システムを開発した.

 

基調講演⑦16:20-16:50

『ラバーの3Dプリンティングとランニングシューズへの展開』

西野 孝(神戸大学)

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 ラバーの造形には,目的の型を与えるための成形性と,一方で分子と分子の間には架橋が必要です。一旦架橋されると成形性を失うトレードオフの関係があるため,これを克服しなければなりません。SIPプロジェクトでは,リアクティブ3Dプリンタを開発し,世界で初めて積層ラバー造形に成功しました。本講演では,ランニングシューズのソールへの適用を試み,第7回,第8回神戸マラソンで実証検証を行った成果を紹介します。

 

 

基調講演⑧16:55-17:25

『市場流通材のスーパーメタル化開発』

相馬 憲一(長岡技術科学大学)


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 市場流通材に表面処理を行いスーパーメタル化する研究として、耐摩耗、耐食、摺動をテーマに進めた。耐摩耗化では金型への浸硫窒化、耐食化ではフェライト系ステンレスをオーステナイト化する取り組みを、摺動化ではナノダイヤ分散ニッケル/リン無電界めっきと電界シミュレーションによる無駄めっき低減について紹介する。