第3回日本機械学会イノベーション講演会

基調講演

iJSME2017 基調講演プログラム

                                  (講演時間30分+交代5分)

 

フェムト秒レーザ還元直接描画法を用いたCuの3D微細積層造形と応用

10月7日(土)10:10-10:45
        

 

溝尻 瑞枝(名古屋大学大学院 工学研究科・助教)


 フェムト秒レーザ還元直接描画法は,金属酸化物ナノ粒子の還元焼結を用いたパターニング法である.本発表では,CuOナノ粒子の2Dパターンを積層した3D微細構造形成法と,3D流量センサ作製への応用について報告する.CuOナノ粒子溶液のディスペンサ塗布と,大気中でのレーザ還元描画を繰り返し行い,最後に未照射CuOナノ粒子を除去して3D微細構造を形成した.ブリッジヒータを形成し,広流量域の測定が可能な流量センサへ応用した.

 

 

レーザー金属積層造形法における溶融金属ダイナミクスの観察とスパッタリングの抑制

10月7日(土)10:45-11:20

 

佐藤 雄二(大阪大学 接合科学研究所・特任講師)

 

 レーザー金属積層造形(Selective Laser Melting : SLM) 法は,金属粉末の溶融・凝固を繰り返して連続的に積み上げて立体形状を形成する手法である.そこで我々は,スパッタリングの発生メカニズムを明らかにするために,大型放射光施設(SPring-8)の高輝度X線を用いて,1粒の金属粒子にレーザーを照射したときの粉末挙動の実時間測定を行い,溶融金属の基板との濡れ性を評価し,金属粒子の濡れ性が造形物に与える影響を明らかにした.

 

 

インクリメンタルフォーミングとその最新動向まで
10月7日(土)11:20-11:55

 

田中 繁一(静岡大学大学院 総合科学技術研究科・教授)
 

 インクリメンタル・フォーミングは,塑性加工のダイレス化とインテリジェント化を目指した新しい技術で,金属シェル部品のラピッドプロトタイピング法としても認知されている.本技術は1990 年頃の国内研究に始まり,近年は,海外研究者がこの分野に参入して,研究が活性化し,さらに様々な分野への適用が始まっている.ここでは,当技術の研究・開発の経緯と最近の研究動向の主要なものを紹介するとともに,著者の取組を紹介する

 

 

Dバイオプリンティングのコンセプトと未来への挑戦

10月7日(土) 13:00-13:35

 

中村 真人 (富山大学大学院理工学研究部(工学)・教授)

 

 移植医療,人工臓器,再生医工学の課題と限界をブレークするため,3D Bioprintingの研究に取り組んできた.基本コンセプトは,ヒトの手作業による細胞培養をコンピュータと機械の手で行うTissue Engineeringである.近年,世界で3Dプリンターの医療応用が進められている.2016年ワシントンポスト誌に,「3Dプリンターがいつかあなたの生命を救う」と3つの道が示された.生命を救う日の実現のために,Bioprintingの発展と展開,未来へ挑戦を考察したい.

 

 

臓器チップによる創薬支援技術の開発

10月7日(土) 13:35-14:10

       

 

松崎 典弥(大阪大学大学院 工学研究科・准教授)


 創薬分野において,様々なヒト細胞を組み合わせた三次元組織体を作製し,ヒト臓器への薬効または毒性試験が可能なマイクロチップ(臓器チップ:Organ-on-a-Chip)の開発が期待されている.本講演では、臓器チップ開発における世界の動向を、我々の研究成果を含めて紹介する.

 

 

トポロジー最適化に基づくデバイス・材料の革新的構造設計

10月7日 14:25-15:00

 

西脇 眞二 (京都大学大学院 工学研究科・教授)

 

 トポロジー最適化は構造の形状のみでなく穴の数の増減のような形態の変更も可能な最も自由度の高い構造最適化の方法で,構造の大幅な性能向上を狙えるだけでなく,新しい機能をもつ構造を創成することもできる.本講演では,トポロジー最適化の基本的な考え方を説明するとともに,トポロジー最適化により高性能あるいは新機能をもつデバイス・材料構造を創成した事例を紹介する.

 

 

次世代ものづくり技術を支える機能性原料粉末の開発
10月7日(土)15:00-15:35

 

武藤 浩行(豊橋技術科学大学大学院 工学研究科・教授)

 

 近年、モノづくりの概念が大きく刷新されつつある.Industry4.0と呼ばれる新たな産業革命の概念は,モノづくりの世界を「高付加価値化」させるために,「高度化」,「多彩さ」を求めるものであり、これらの要求に対応できる新たな手段として,付加製造技術(3Dプリント)が注目を集めている.普及に伴い重要と思われる領域として,「原料粉末」にまだまだ開発の余地が残されている.装置技術革新以外にも材料科学の立場からの粉末設計のアプローチが重要になってくると思われる.本講演では,次世代モノづくりに活用するための粉末設計に関する最近のトピックを紹介する.

 

 

「次世代型産業用3Dプリンタ開発」プロジェクトの報告
10月7日(土)15:50-16:25

 

京極 秀樹(近畿大学 工学部・教授)

 

 3Dプリンタを利用した“ものづくり”革新が,とりわけ金属3Dプリンタを利用した航空宇宙分野において急速に進んできており,AM技術は必須の加工技術の一つとなってきている.本講演では、金属積層造形技術の最新動向とともに,技術研究組合次世代3D積層造形技術総合開発機構(TRAFAM)で実施している「次世代型産業用3Dプリンタ開発」プロジェクトの3年間の成果と今後の展開について紹介する.

 

 

3Dデザイナブルゲルで地域に特色ある産業を育てる

10月7日 16:25-17:00

 

古川 英光 (山形大学大学院 理工学研究科・教授)

 

 国際大学ランキングでも低落し、トムソン・ロイターでもエンジニアリング、物質科学といったお家芸的分野で論文数が減少しています.基盤技術開発からグローバルニッチトップ産業の創生を目指すことで、地位奪回につながるイノベーションを目指します.

 

 

デライトものづくりAIネットワークプラットフォーム
PLANET AIDeA

10月7日(土) 17:00-17:30

 

秦 誠一(名古屋大学大学院 工学研究科・教授)


 研究開発活動を効率化するための手法として,オープンイノベーションが注目されて久しい.内閣府戦略的イノベーション創造プログラムSIP革新的設計・生産技術では,プロジェクトで生み出された様々な技術,システムなどのシーズを,個人から大企業,研究機関まで幅広いニーズと結びつけ,いわば「機械仕掛の技術ナビゲータ」を志向した技術マッチングシステムを開発した.本講演では,その開発背景,コンセプトと具体的な使用方法について紹介する.